経営者ほど成功と失敗の境目がハッキリと別れる仕事は珍しいと思うけど、失敗した成功者はたいてい、ろくに本を読んでないか、本を読む習慣を喪失している。目先の成功に気を良くして、自分に自信ができ、他の人の意見など聞かなくなってしまう。
だから「失敗本」の多くは驚くほど語彙が少なく、彼らが失敗そのものからほとんど何も学んでいないという、恐るべきことまで解ってしまう。たいていの場合、怒りの矛先はトンチンカンな方向へ行っており、ああこの人はこのままではまた失敗するなと読者に確信させてしまうあたりも含めて上手い。実際、失敗本書いた人で再起した人ってほとんどいないし。
また、調子に乗ってる経営者が書いた「成功の秘訣」本も同様で、これは時間が経ってから読むと抱腹絶倒ものだ。たいていの場合、そんな状況で本を出して成功し続けるのは難しいので本を書いた時点から数年もすれば明らかに苦しい状況にあることが多い。
最近だと、シャープが液晶で絶好調だったときに社長が自ら書き下ろした「オンリーワンは創意である」を今読み返すとヤバすぎて変な汗が止まらなくなる。つまりある時点までは成功本だったものが突然失敗本になるのだ。
これはホリエモンの「100億稼ぐ仕事術」も同じことが言える。
こういう思考ロジックに陥ると人間はろくなことにならないと良くわかる。
人の振りみて我がフリ直せ、である。これほどいい本はない。
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