タンザニアにはメアトウ地区というところがある。なんとここでは通報のあった殺人事件の半数が「魔女殺し」なのだという。これはもちろんタンザニアの宗教的信条に根差すところが大きい。なにか災いがあればその原因は魔女の呪いであり、だから魔女を見つけて殺さなくてはならないというのだ。
しかし仔細にみていくと、魔女狩りには経済的法則が見えてくる。犠牲者はほぼ全員が絶望的貧困家庭の年配女性で、しかも悪天候で農業所得が激減した年に圧倒的に多い。家庭内経済が破綻に瀕したときに歳を取り生産性の低い女性を見捨てる言い訳として機能している可能性がある。
アンゴラやコンゴでは、子供が魔術使いの非難を受けて放棄されることがあるが、これも同じく、生きるか死ぬかの危機的状況における弱者からの経済的収奪という本質を、宗教的な習俗がおおい隠しているのかもしれない。
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