成功し続けている経営者はほとんど本を書いてない。
ITの世界で本を書いてなお成功を続けているのはビル・ゲイツくらいなものだ。
数少ない例外もある。
本田宗一郎や盛田昭夫だ。
本田宗一郎は技術者なのに著書がかなり多い。
内容も、技術者の目線から書いたエッセイみたいなものが多い。
これらの書籍は本田技研においてはクレドとして機能していたのだろう。
また、こうした本を読んだ技術者が本田宗一郎に感化されてHONDAを目指す理由になったりといいこともある。
本田宗一郎は技術者だから、彼の本は技術者の気持ちを動かす。
だから上手く行く。単に調子に乗って書いただけの本ではない。
盛田昭夫の場合、本の内容はかなり硬派だ。しかも執筆時点からかなり前のことを書いている。
たとえば「メイド・イン・ジャパン」はソニーが充分国際的企業として成長した1990年に過去を振り返る形で書かれている。これはこれで、高度経済成長期のベンチャー企業であった東通工が、いかにして世界のソニーへと変革を遂げて行ったのか、盛田昭夫の視点から振り返るというのは盛田昭夫の人生そのものを疑似体験するという非常に豊かな体験を与えてくれる。
石原慎太郎との共著「NOと言える日本」は日本でもベストセラーになった。
リアルタイムで会社がなぜ儲かっているのか自分で書いて本にしてしまうと、会社はたいていピンチになる。
当たり前だよね。競争相手に弱点を研究されるきっかけになるし、逆にマネしてみようと思う人も出て来てしまう。
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