神社と宮の呼称の違いは何でしょうか?
( 中略 )
元来、神宮(じんぐう・かみのみや)と大社(たいしゃ・おおやしろ)が一つずつとその他は神社(じんじゃ・かみのやしろ)でした。
神宮は言わずと知れた伊勢神宮のことで、大社は杵築(きつき)大社で、その後、出雲大社と呼ばれています。
延喜式神名帳では、神宮は大神宮(伊勢のこと)・鹿島神宮・香取神宮の3つが記載されています。宮は、大神宮関係の6つと、八幡大菩薩宇佐宮(宇佐神宮)と八幡大菩薩筥崎宮(福岡市の筥崎宮)の2つが記載されています。
延喜式とは、律・令・格の施行細則を集成した法典で、醍醐天皇により延喜五年(905)に編纂を開始し、22年後の延長五年(927)に完成した。
50巻三千数百条の条文があり、巻9・10は神名帳で、当時の官社の一覧表で、2861社を国郡別に羅列している。ここに記載された神社が、いわゆる「式 内社(しきないしゃ)」です。つまり、式内社は、平安時代(10世紀)にすでに官社として認定されていた神社であり、由緒ある神社として知られていたこと になります。
通常、全国にある八幡神社・八幡宮は宇佐神宮を総本社とし、分祀(ぶんし)・勧請(かんじょう)されたものですから、宮(ぐう)が付けられた訳です。京都の石清水(いわしみず)八幡宮やそこから分祀された鎌倉の鶴岡八幡宮が代表的です。
しかし、八幡神社と称しているところもありますし、伊勢神宮を分祀したところでも、神明(しんめい)神社と称しているところも、神明宮と称しているところもあるように、宮と神社は同じだと考えてよいと思います。
ただ、家康を祀る東照宮は別として、明治時代に入り、国家神道(こっかしんとう)の時代に、過去の親王等を祀った神社が多く創建され、宮を付けられました。鎌倉宮(護良親王)や金崎宮(恒良・尊良両親王:福井県)がそうです。
現在、伊勢・出雲・鹿島・香取以外で神宮や大社を称している神社は戦後に国家神道の規制を受けなくなった神社が、それぞれが自称しています。
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